ゼルダの伝 説 トワイライトプリンセス HD
The Legend of Zelda: Twilight Princess HD
2006年の名作がWii U向けに蘇る。ビジュアルのHD化、ゲームプレイの洗練、そしてamiibo対応という新たな要素を加えた決定版。
説明
『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』は、任天堂がメルボルンを拠点とする開発会社Tantalus Mediaとタッグを組み、2006年にGameCubeおよびWiiで発売された壮大な叙事詩をWii U向けに蘇らせた作品です。Wii Uの晩年に登場した本作は、シリーズの3D作品の中で最もダークで重厚な雰囲気を纏った一本です。本作のHDリマスター化にあたっては、オリジナル版が持つ骨太で写実的な美学を忠実に守りつつ、当時の標準解像度による質感の曖昧さを解消。1080pの鮮明なテクスチャ、ライティングの改善、そしてHUDの最適化が図られました。当時のWii Uタイトルの中では極めて重要な高水準の作品であり、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の長い開発期間を埋めるための重要な役割を果たしました。
ゲーム体験は、広大な世界と「二面性」を軸に構成されています。リンクは本来のハイリア人の姿と、呪いによって変身した狼の姿を切り替えながら冒険を進めます。旅の相棒となるのは、ファンから熱狂的な支持を集める小悪魔的な存在、ミドナです。巨大で複雑なダンジョンを探索する核となる面白さはそのままに、Tantalus社はテンポを大きく改善する構造的な「遊びやすさ」の調整を実施しました。序盤の物語を停滞させていた「光の雫」を集めるクエストは、必要数が16個から12個へと削減され、大幅に簡略化されています。さらに本作ではGameCube版のマップ構成が採用されており、リンクは左利きとして描かれています。加えて、被ダメージが2倍となり、ハートも出現しない「辛口モード(Hero Mode)」も実装されました。また、Wii U GamePadの活用も理想的です。常に表示されるマップや、タッチスクリーンによるインベントリ管理によって、アイアンブーツやクローショットの切り替えをゲームを止めることなくスムーズに行うことが可能です。
本作のパッケージ版は、任天堂の「amiibo」エコシステムとの融合が大きな特徴です。特に、同梱版として販売されたウルフリンク amiiboの存在が象徴的です。GamePadにこのフィギュアをかざすと、ウルフリンク専用の過酷な連続戦闘試練「影の洞窟」が解禁されます。さらに、他のゼルダ関連のamiiboを使用すれば、矢の補充やライフの回復、あるいはあえて被ダメージを2倍にして過酷な挑戦を求めるプレイヤーのための調整も可能です。オーストラリアなど特定の市場では、この同梱版がメインの販売形態でした。Wii Uが市場での役割を終える過程で一時は安価に処分されていましたが、時を経てその希少価値は高騰しています。
発売当初、『ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス HD』は批評家から高い評価を獲得しました。序盤のテンポの良さや、直感的なGamePad操作、隠されたゴースト「ポウ」を探す助けとなる新アイテム「ゴーストのランタン」の追加などが高く評価されました。一方で、テクスチャは鮮明になったものの、ベースとなる環境ジオメトリは2006年当時のままであるため、2013年の『ゼルダの伝説 風のタクト HD』で見られた劇的なライティングの変化と比較すると、視覚的なインパクトは控えめであるという指摘もありました。しかし、現在となっては本作こそが、ゼルダ史における巨大な一章を最も洗練された形で体験できる決定版であり、amiibo同梱の完品(CIB)はWii Uライブラリの中でも非常に高い価値を持つコレクターズアイテムとなっています。