Past Cure
実験により心身に深い傷を負った元兵士が、断片化された記憶に苦しみながら現実と幻覚の狭間を彷徨う。ステルス、戦闘、超能力を組み合わせた心理スリラー。
説明
『Past Cure』は、映画的な野心と衝撃的な設定を掲げた心理的アクションスリラーですが、ゲームメカニクスの練り込み不足や不安定なトーン、独創性に欠けるゲームプレイが足枷となっています。野心は確かに感じられますが、多くの面で目標には届いていません。
かつて特殊部隊に所属していたイアンは、凄惨な実験の末に断片化された記憶と未知の力に苛まれています。プレイヤーは、抑圧的な現実と悪夢のような超現実の世界を行き来することになります。イアンは、時間の減速や幽体離脱といった特殊能力を駆使して物体を操作し、脅威を回避し、電子機器をハッキングすることで、不穏な環境へ潜入し真実に迫ります。ゲームプレイはステルス、三人称視点のシューティング、近接戦闘、そして基本的なパズルで構成されていますが、これらが章ごとに分断されており、全体としてちぐはぐな印象を受けます。特に戦闘の感触は拙く、ステルスは発見された瞬間にゲームオーバーとなる仕様が目立ち、超能力もギミックの域を出ていません。
グラフィックや技術面での一貫性も欠けており、物語の動機付けやボイスアクトの粗さが、本来備わっていたはずの心理的重厚感を削いでいます。プレイ時間は約6時間と短めですが、小規模なインディースタジオが様々なジャンルを融合させようと試みた、実験的な意欲作であることは間違いありません。