DVD Movie Playback Kit
初代XboxでのDVDビデオ再生を可能にするリモコンおよび赤外線レシーバーキット。リテールSKU K01-00005、パーツ番号 X08-25597。
説明
初代Xbox用アクセサリー『DVD Movie Playback Kit』は、本体でのDVDビデオ再生機能を有効化するためにリリースされた製品です。Xboxのハードウェア自体にはDVDディスクの読み取り機能が備わっていましたが、Microsoftはこのキットを用いることで機能を解放する仕様を採用しました。この販売形態は技術的な必然性よりも、ライセンス料に関わる事情が大きく影響しています。
キットは赤外線リモコンと、本体のコントローラーポートに接続する小型レシーバー(受光部)で構成されていました。このレシーバーはIRセンサーとして機能するだけでなく、ファームウェア内に格納されたDVD再生アプリを起動するための「ハードウェアキー」としての役割も担っていました。リモコンは再生、一時停止、早送り、巻き戻し、チャプター送りといったDVDの基本操作に対応し、ペアレンタルコントロールやチャプターのブックマーク、複数言語トラックへの切り替えも可能でしたが、初期モデルではプログレッシブ出力には非対応でした。
当時、すべてのXbox本体でDVD再生を可能にすると、MicrosoftはDVDフォーラムに対して全台数分のライセンス料を支払う必要がありました。このキットを別売にすることで、当該機能を必要とするユーザーのみにコストを負担させるという戦略をとったのです。これはDVD再生を標準搭載し、全台にライセンスコストを上乗せすることで普及を促進したPlayStation 2の戦略とは対照的でした。多くの家庭がPS2を「手頃なDVDプレイヤー」として購入したことが、ゲーム市場以外への躍進の大きな要因となったことは歴史の事実です。
ハードウェア的には可能な機能をあえて別売アクセサリーでロックしたことには当時批判もありましたが、個人的には非常に安価であったため、記念品のような感覚で購入した記憶があります。1997年からDVD環境を整えていた私のようなユーザーにとって、このキットは既存の専用プレイヤーの代替にはなり得ませんでしたが、MicrosoftがXboxをあくまで「ゲーム機」として定義づけていた姿勢を象徴する興味深いアクセサリーであったと今では感じています。
データシート
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