Chad Reed MX Unleashed
物理演算を追求した広大なモトクロスシミュレーター。オーストラリア市場限定のチャド・リードによる監修と、ダートバイクレースにおける「Freeworld」サンドボックス構造のパイオニアとして知られる作品。
説明
Chad Reed MX Unleashedは、PlayStation 2向けにモトクロスの物理演算を高度に昇華させた作品です。本作はオーストラリア市場向けに『MX Unleashed』をリブランドしたタイトルであり、従来のレースゲームに見られた制約の多いコースから脱却し、広大な「Freeworld」環境と物理演算に基づいた操作性を実現しました。プレイヤーの自由度とメカニカルな深みを重視した設計となっており、現地チャンピオンのチャド・リードを起用することで、オーストラリアにおけるフランチャイズの地位を確立しました。
ゲームの核となる物理エンジンは、ジャンプの踏み切り時にサスペンションを沈め、頂点で解放する「プリロード(Pre-load)」の習熟をプレイヤーに要求します。本作で導入された「Freeworld」モードは、ミニゲームや「Hit」チャレンジ、複葉機、モンスタートラック、ヘリコプターといった特殊車両とのレースが楽しめる広大なサンドボックス型エリアです。キャリアモードは14リーグで構成され、スタジアムで行うタイトなスーパークロスから、広大なアウトドア・ナショナルズまで40以上のトラックが収録されており、スロットルワークと空中での車体制御が重要となります。
本作は、THQが『ATV Offroad Fury』や『Motocross Madness』で知られるRainbow Studiosを買収した後に同スタジオのエンジンを採用した最初の作品です。ライダーとバイクを独立させたアニメーションにより、体重移動や傾きがリアルに車体のトラクションと重心に影響を与えるよう設計されています。オーストラリアで発売された唯一の家庭用機版であるPlayStation 2版は、Xbox版と比較すると解像度が低く、画面のティアリングが発生するなどの技術的な課題もありました。特に広大なFreeworldマップの描画距離を確保するために、動的なフォグシステムやアグレッシブなオブジェクト・カリングが導入され、PS2のハードウェア性能でフレームレートを維持するための工夫が凝らされていました。
発売当時のオーストラリアでは、モトクロス体験の決定版として高い評価を獲得しました。画期的な物理演算と地元ヒーローの起用は高く評価されましたが、プリロード操作の習得難易度の高さが初心者には障壁となったという指摘もありました。特殊車両とのレースは、シリアスなキャリアリーグの合間の心地よい息抜きとして好評を博しました。THQの高いプロデュース力とRainbow Studiosの技術力が融合した本作は、後に長く続く『MX vs. ATV』シリーズの礎となった記念碑的なタイトルです。
データシート
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