コンポーネント HD AV ケーブル
HDMI出力が実装される以前のXbox 360において、最も普及した公式の高解像度映像出力ケーブル。
説明
Xbox 360 コンポーネント HD AV ケーブルは、2005年の本体発売時にマイクロソフトから供給された公式の高解像度アナログ映像用ケーブルです。当時、HDMI端子を搭載していなかったテレビに対し、コンポーネント入力経由での高画質出力を可能にするために設計されました。HDMIが民生機器の標準となる中で、初代Xbox 360はデジタル出力を持たないという特異な仕様でした。このケーブルは海外の「Pro」パッケージの多くに同梱されていましたが、日本国内では代わりにD端子 HD AV ケーブルが採用されました。D端子はコンポーネント信号を一つのコネクタに集約し、HDMIのように取り回しに優れた規格でした。
本製品は、色分けされた6つのRCA端子(映像用の赤・緑・青、音声用の赤・白、および黄色のコンポジット端子)を備えています。これによりコンポーネント接続で最大1080iの解像度を実現し、初期のゲーマーに高解像度体験をもたらしました。コンソール側のコネクタにはテレビ/HDTVの切り替えスイッチと、本体に搭載されていなかった光デジタル音声出力端子が備わっています。
この製品は、Xbox 360の過渡期を象徴するハードウェアといえます。当時すでに技術的に陳腐化しつつあったアナログ接続を、マイクロソフトはプレミアムな映像出力として訴求せざるを得ませんでした。2007年のXbox 360 Elite以降でHDMIが標準化されると、このケーブルの役割は急速に過去のものとなりました。今日振り返れば、本製品はXbox 360の初期ハードウェアが、当時のデジタル標準に対し一歩出遅れていたことを物語る貴重な遺物です。
なお、当時の最高峰のアナログ映像出力としては、同様の設計思想を持つVGA HD AV ケーブルの存在も忘れてはなりません。コンポーネントが1080i/720pまでだったのに対し、VGAは1080pや1200pの出力に対応していました。当時の16:10のモニターで1920×1200の解像度を体験できたことは、アナログ接続の可能性を追求していた古参ユーザーにとって鮮烈な記憶です。
パーツ番号: X810972-001。リテールSKUは地域により異なり、北米ではB4V-00004、日本ではB4V-00005が割り当てられました。