Ballz 3D: Fighting at Its Ballziest
従来の2Dスプライトやフラットなポリゴンを排し、キャラクターや背景のすべてをプリレンダリングされた球体で表現した、極めて特異なビジュアルを持つ格闘ゲーム。16ビット機での3D格闘体験を追求した実験作です。本作は、オーストラリアのSega Ozisoftがメガドライブ向けに流通させた、NTSC版Genesisの海外流通版の一つでもあります。
説明
『Ballz 3D: Fighting at Its Ballziest』は、16ビット格闘ゲーム全盛期に、『ストリートファイターII』や『モータルコンバット』といった競合タイトルとの差別化を図るため、非常に特異なビジュアルと、『クレイファイター(Clay Fighter)』に見られるような無礼とも言えるユーモアを打ち出した作品です。最大の特徴は、キャラクターがすべてプリレンダリングされた動的拡縮を行う球体で構成されている点にあります。開発陣は、これらの球体を調整・配置することで、2Dの対戦プレーン上で疑似的な3Dポリゴンモデルが動いているかのような錯覚を生み出しました。これは標準的なメガドライブのハードウェアにおいて注目すべき技術的トリックであり、特殊な追加チップを一切使用せずに3Dアニメーションのような独自の質感を再現しました。
ゲームプレイ自体はパンチ、キック、必殺技といった伝統的な格闘ゲームのメカニズムを踏襲していますが、その奇妙なビジュアルに合わせてアクションは極めて様式化されています。登場キャラクターもバレリーナ、原始人、猿、サイなど一癖ある面々が揃っており、それぞれに独自の挙動や毒のある挑発が用意されています。90年代中盤のゲーム業界で流行した、少し背伸びした悪ふざけのようなコメディ色が色濃く反映されています。
また本作は、メガドライブ向けに計画されていたオンラインモデム「AT&T Edge 16」との深い関わりでも知られています。X-bandモデムと同様のオンライン対応を構想していましたが、土壇場でモデムの発売が中止となった経緯があり、ゲーム本編およびマニュアルに残された「Edge」への言及を無視するようにとの注意書きが、その歴史を今に伝えています。
技術的な挑戦こそ評価されましたが、リリース当時の評価は賛否が分かれました。滑らかなアニメーションやグラフィックへの独創的なアプローチは称賛された一方で、肝心の対戦メカニズムについては、操作が重く精度を欠いており、競合タイトルに見られる戦略的な奥深さに欠けるという指摘が繰り返されました。
データシート
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