Golfamania
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ゴルフゲームにRPG的な成長要素をいち早く導入した、8ビット機屈指の意欲作。わずか1コースという制約の中でも、深いゲーム性を実現した隠れた名作である。
説明
Golfamaniaは、セガが8ビット機のスポーツゲームの枠を超え、キャラクター育成という概念を導入しようと試みた野心的な作品である。1990年にサンリツ電気が開発し、セガからPAL圏(欧州・オーストラリア)およびブラジル向けにのみリリースされた本作は、北米や日本での展開が見送られた経緯を持つ。当時のマスターシステムの円熟期を象徴するタイトルであり、単なるアーケード移植ではない、コンソール機ならではの深みあるゲーム体験を追求した設計が特徴だ。かつての『Great Golf』のような手軽なプレイ感とは対照的に、コアなプレイヤーに向けた歯ごたえのあるシミュレーションとして構築されている。
ゲームプレイはトップビューのコースマップと、プレイヤーの後方から見たスイング視点で構成され、3クリック式のスイングメーターでショットのパワーと精度を決定する。本作の最大の特徴は、当時としては画期的な「プレイヤー作成モード」にある。パー以上でホールアウトすることで得られる経験値をパワー、精度、コントロールに割り振り、能力を成長させることが可能だ。このRPG的なプログレッション要素により、当初はシビアなスイングメーターの操作も、育成と共に扱いやすくなっていく。練習、ストローク、マッチ、プロトーナメントの各モードが用意され、最大4人での交互プレイにも対応している。
技術面では、当時のスポーツゲームとしては珍しくカートリッジ内にバックアップ用RAMを搭載しており、ショットごとに成長したキャラクターのステータスを自動セーブできる点が特筆される。後期タイトルらしくグラフィックは洗練されており、マスターシステム特有の豊かな発色を活かした鮮やかなフェアウェイは、同時代の8ビット機用ソフトの中でも際立っている。その一方で、容量や開発上の制約からか、プレイ可能なコースが18ホール1コースのみである点は惜しまれる。BGMはループする単一の楽曲のみだが、「Great Shot!」といったデジタル音声合成による演出が盛り込まれている。
リリース当時、本作は第3世代機における最高峰のゴルフシミュレーションのひとつとして高く評価された。洗練されたインターフェースやグラフィック、そしてキャラクターを育てる中毒性の高いシステムは、当時の批評家からも強い支持を受けた。一方で、コースが1種類しかないために繰り返しのプレイに難があるという批判も根強く、その点において評価が分かれることもあった。後年の視点で見れば、後の『みんなのGOLF』や『マリオゴルフ』シリーズが確立するスポーツRPGの先駆けであり、PAL版マスターシステム用ライブラリの中でも異彩を放つ、惜しむべき傑作と言える。