Crusty Demons
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不死身のスタントマンが悪魔と契約する、暴力と混沌のモトクロスゲーム。トリックの成功よりも壮絶なクラッシュを称賛する独自のラグドール物理エンジンが光る、PlayStation 2世代の異端児。
説明
『Crusty Demons』は、世界的に名高いフリースタイルモトクロスチームの名を冠した、過激で荒々しいアクションゲームである。本作は、当時のエクストリームスポーツゲーム界において、伝統的なトリック重視のゲームプレイにダークで超自然的な物語を融合させ、独自の立ち位置を築こうとした野心作だ。『Tony Hawk』シリーズに代表される洗練されたプロフェッショナルな美学とは対照的に、ヘヴィメタル文化や過激な暴力描写を背景とした、反骨精神溢れる「大人向け」のスタイルを追求している。
物語は悪魔との奇妙な契約から幕を開ける。プレイヤーはSeth EnslowやJeremy “Twitch” Stenbergといった実在のスター選手を操作する。彼らは悪魔の力で不死身の肉体を得て、命知らずのスタントに挑むことになる。従来のレースゲームとは一線を画し、トリックの成功だけでなく、クラッシュ時の負傷の酷さがスコアに直結するシステムが最大の特徴である。ゲームプレイには「Devil’s Rush」やストーリーモードが含まれ、東京、ニューヨーク、アムステルダムといったサンドボックス環境で展開される。プレイヤーはダートバイクやバギー、さらにはアイスクリームトラックまで乗りこなし、ビルに突っ込んだり通行人を驚かせたりと、混沌としたミッションをこなしていく。
技術的には、当時としては先駆的なラグドール物理演算エンジンを採用した点が特筆される。これがゲームの売りである、複雑でグロテスクなクラッシュシーンの再現に大きく貢献した。Climax社の独自エンジンは、広大なオープンエリアを持ちながらも比較的安定したフレームレートを維持しており、効率的なデータストリーミング技術によりミッション間のロード時間も抑えられている。音響面でもPlayStation 2の性能を活かし、骨が砕ける生々しい効果音とエンジンの咆哮をリアルに再現し、本作の荒々しい「Crusty」な世界観を彩る攻撃的なサウンドトラックがその没入感を高めている。
リリース当時、『Crusty Demons』は評価の分かれる作品となった。ブラックユーモアについては多くの批評家から称賛された一方、ゲームデザインの甘さも指摘された。米国の批評家たちは、失敗を報酬に変える「独創的な」ギミックを高く評価し、骨折アニメーションの滑稽さを楽しんだが、一方で精密な操作性を求める層からは、制御のしにくさやミッション設計の煩雑さが批判の対象となった。現在では、第6世代ゲーム機を象徴するカルト的な名作として認識されている。ライバル作品のような完成度には至らなかったかもしれないが、混沌に対する妥協なき姿勢と、モトクロス愛好家向けの「動くスナッフムービー」とも言える異端な魅力により、PlayStation 2のライブラリの中でも際立った個性を放っている。
データシート
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