Exhumed
古代エジプトの地を異星人に占拠された迷宮と化し、探索と特殊能力、そして重火器による戦闘を融合させた先駆的FPS。セガサターンの難解な3Dハードウェア性能を極限まで引き出すために設計された、技術的にも評価の高い一本。
説明
Exhumed(北米版タイトル:PowerSlave)は、異星人の軍勢によって封鎖されたエジプトのカルナクを舞台に、孤高の特殊部隊員が挑む探索型FPSである。舞台となるのは、無機質な産業用通路ではなく、古代エジプトの石造建築が立ち並ぶ墓所、神殿、鉱山、そして呪われた回廊だ。ミイラやアヌビスの兵士、サソリや亡霊、さらには昆虫型種族キルマートが徘徊する死の街で、ラムセス王の霊が導き手としてプレイヤーの行く末を照らす。
本作は、後に主流となるアドベンチャー要素を色濃く反映したFPSの先駆けであり、武器の収集やジャンプ、水泳、そしてアーティファクトによる特殊能力の獲得と、過去のステージへの再訪を繰り返しながら攻略ルートを拡張していく。ワールドマップで繋がれたステージを探索し、新たな能力で道を開き、隠された人形を探し出すことで、物語はマルチエンディングへと収束する。Lobotomy Softwareが開発した「SlaveDriver」エンジンは、セガサターンの3D性能を限界まで引き出し、テクスチャマッピングによる鮮明な環境を描き出した。なお、本作のPAL版は北米・日本版よりも数ヶ月先行してリリースされたため、後のバージョンに実装された6人対戦ミニゲーム『Death Tank』は未完成であり、本版には含まれていない。
本作の系譜は複雑である。PC版が従来の直線的なFPSに近い構成であったのに対し、セガサターン版は探索と能力開放を軸にしたゲームデザインが際立っており、後の「メトロイドヴァニア」スタイルを想起させる設計として高く評価されている。この時Lobotomy Softwareが培ったSlaveDriver技術は、後に『Duke Nukem 3D』や『Quake』の移植作(および『Death Tank Zwei』)へと受け継がれ、本作は技術的基盤としての歴史的役割も担った。発売当時はそのスピード感や独自の空気感で高い評価を得たものの、当時のPC向けFPSの巨頭たちのような商業的成功には至らなかった。しかし現在では、その巧みなレベルデザインとハードウェアへの深い理解を体現した、セガサターンを代表するアクションゲームとして、コレクターや専門家の間で確固たる地位を築いている。当時の操作性の癖やバックトラッキングの手間は否めないものの、それを補って余りある没入感がある。
データシート
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