テイルズ オブ シンフォニア
Tales of Symphoniaゲームキューブ発のRPGを完全版として昇華させた一作。PS2のハードウェア性能上の制約はあるものの、新規秘奥義やコスチューム、追加イベント、美麗なアニメーションなどにより、物語とゲーム性の両面でさらなる深化を遂げている。
説明
PlayStation 2版『テイルズ オブ シンフォニア』は、2004年の年末商戦に向けたナムコの大型攻勢の要として投入された、追加要素満載の移植作品である。9月下旬に発売された本作は、その約3ヶ月後に控えていたシリーズ10周年記念タイトル『テイルズ オブ リバース』に向けた期待感を高める重要な役割を担った。この矢継ぎ早のリリーススケジュールは、ゲームキューブで拡大したファン層をPlayStation 2へと回帰させる戦略の一環であり、ナムコはヒット作の完全版を投入することで、シリーズ黄金期の勢いを盤石なものとした。
ゲームキューブからPlayStation 2への移行にあたっては、今なお議論の的となる技術的なトレードオフが存在する。PS2のハードウェア仕様に合わせるため、フレームレートは60fpsから30fpsへと引き下げられた。しかしナムコは、そのパフォーマンスの低下を補って余りある追加要素を盛り込んでいる。本作では全キャラクターに新たな「秘奥義」が追加され、かつてボス専用だった技も使用可能となった。さらに、新規コスチュームやサブイベント、アルタミラでのカジノなどが実装されている。Production I.Gによるアニメーションカットシーンも追加され、物語の深みが増した。また「スキット」システムも進化を遂げ、キャラクターの立ち絵に動きや表情が加わり、対話の臨場感が向上している。オープニングテーマにはday after tomorrowの『そして僕にできるコト』が起用され、ゲームキューブ版の『Starry Heavens』から一新された。ロード時間の増加というPS2特有の懸念はあったものの、当時の国内プレイヤーにとっては許容範囲内と受け止められた。新規主題歌の採用やカジノといった独自要素は、本作を真の完全版として際立たせ、その冬に控えていた『リバース』が持つ、より重厚で政治色の強いテーマへと繋がる架け橋となった。
PS2版の初期出荷分は、店頭販促物や10周年キャンペーンにおいて『リバース』と並んで展開されることが多かった。この時期はナムコ社内において「チームシンフォニア」と「チームデスティニー」の分業体制が確立された時期でもあり、2004年のサイクルはファンがシリーズの年次展開を強く意識した最初の年となった。単なる移植にとどまらず、ゲームキューブで築かれた3Dの基礎を、以降の世代へと受け継ぐコンテンツ充実のスタンダードとして定義づけた歴史的意義を持つ一作である。
データシート
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